漫画『銀狼ブラッドボーン』感想|老いた英雄が信念を懸けて戦う骨太ダークファンタジー

老いた英雄は、最後の戦いへ──

『銀狼ブラッドボーン』は、かつて“銀狼”と呼ばれた伝説の吸血鬼ハンター・ハンスが、死と隣り合わせの事件に再び挑む骨太のダークファンタジーです。

この作品の魅力は、次の3つ。

  • 老いてなお最前線に立つ“銀狼”ハンスの渋く熱い生き様
  • 誇り高き吸血鬼の王・ファウストという宿敵
  • 人間・吸血鬼・そして新たな脅威が入り乱れる、緊張感あふれるダークファンタジー

ただ強いだけではなく、老いてなお戦うハンスの姿からは、人生の重みを感じます。

いくつもの信念と欲望が交錯する物語は、渋くも熱いドラマと迫力あるアクションで唯一無二のダークファンタジーへと昇華。

※この記事は漫画『銀狼ブラッドボーン』1~3巻のネタバレが含まれています。作品をより楽しむために、未読の方はご注意を!

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目次

あらすじ

かつて“銀狼”と呼ばれ、吸血鬼たちからも恐れられた伝説の吸血鬼ハンターのハンス・ヴァーピット。

70歳となった今は、静かな隠居生活を送っていた。

しかし、街を震撼させる”骨抜き事件”の調査依頼が舞い込み、ハンスは再び戦場へ足を踏み入れる。

事件の裏に潜むのは、人間の骨だけを喰らう化け物”グリム”。

さらに、死んだはずの吸血鬼やかつての仲間までもが、敵として立ちはだかる。

人間・吸血鬼・そして新たな脅威が入り乱れる中、幾重もの因縁と信念が激突する。

守るべき街と仲間のため、老いた英雄は最後の戦いに挑む。

『銀狼ブラッドボーン』は、渋くてかっこいい老英雄が信念を懸けて戦う、骨太のダークファンタジーです。

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漫画『銀狼ブラッドボーン』の魅力①|渋くてかっこいい伝説の吸血鬼ハンター・ハンスの生き様

漫画に出てくるおじいちゃんキャラクターって、やたらとかっこいいですよね?

師匠として主人公を導いたり、重要な場面で颯爽と現れたり──。

そんな“渋くてカッコいいおじいちゃん”を、今度は主人公として存分に味わえるのが『銀狼ブラッドボーン』です。

主人公はハンス・ヴァーピット、御年70歳。
白髪にダンディーな顔立ち、左目の傷は過去の激闘を物語っています。

かつて“銀狼”と呼ばれ、吸血鬼からも恐れられた伝説の吸血鬼ハンター。
普段は仲間に優しく、お茶目に冗談を言うこともありますが、戦場に立てば鋭い眼光で獲物を狙う姿は健在です。

成長する若き主人公とは違い、老いた主人公には経験ゆえの深みがあります。

  • 衰えや限界があるからこそ生まれる命を懸けた迫力
  • 力だけでなく、技術や知恵、あらゆる手段を駆使して戦う熟練者ならではの戦術の深み
  • 怪物的な強さは失っても、敵から今も恐れられ、恨まれ続ける宿命を背負った男の重み

威厳と優しさを併せ持ち、仲間を導く姿はまさに老英雄の風格。

老いを受け入れ、それでもなお立ち向かうハンスの生き様からは、熱さと渋さが感じられます。

『銀狼ブラッドボーン』は、渋くてかっこいいおじいちゃんキャラが好きな人には特におすすめできる作品です。

漫画『銀狼ブラッドボーン』の魅力②|宿敵にしてもう一人の主人公、吸血鬼の王・ファウスト

『銀狼ブラッドボーン』は、敵キャラクターも魅力的です。

なかでも外せないのが、誇り高き吸血鬼の王・ファウスト。

ファンタジー作品の吸血鬼は魅力的な存在ですが、ファウストも例外ではありません。

誇り高く、冷静で聡明。圧倒的な力と不老の美貌を持ちながら、人間を糧にしなければ生きられないという宿命を背負っています。

美しさの裏に悲哀を感じさせる存在。その葛藤は、むしろ人間以上に人間らしく思えるほどです。

ファウストはハンスの宿敵で、吸血鬼ハンターと吸血鬼という、決して相容れない立場にあります。

しかし本作では、グリムという新たな脅威の登場によって、二人は物語の早い段階から“共闘に近い状況”へと追い込まれます。

最初は敵として対峙しながらも、必要とあらば背中を預ける──そんな、本来なら終盤に訪れる胸熱展開を序盤から楽しめるのが、この作品の大きな魅力です。

もちろん、これは協力関係ではありません。

絶対に交わらないからこそ、お互いの強さと信念を深く理解し合う。

危うくも信頼めいた距離感が、二人の関係に厚みを与えています。

ファウストは、ハンスと並び立つもう一人の主人公と言える存在。

敵キャラクターがただの“悪”として描かれず、人間味と愛すべき魅力を持つ──

ファウストの存在こそが、『銀狼ブラッドボーン』を信念と宿命がせめぎ合う骨太のダークファンタジーへと昇華させているのです。

漫画『銀狼ブラッドボーン』の魅力③|新たな化け物“グリム”の登場が物語を混沌とスリルへ導く

『銀狼ブラッドボーン』の最大の特徴は、人間・吸血鬼・そして新たな脅威が入り乱れる緊張感ある構図です。

その混沌の中心にいるのが“グリム”。

グリムは、人間でも吸血鬼でもない未知の存在で、人間の骨だけを喰らう化け物です。
吸血鬼が血、人間が肉を糧にするのに対し、グリムは骨を喰らう──この種族間の対比が、作品に不気味な魅力を生み出します。

人間に化けた姿は怪しい雰囲気を漂わせる美貌の青年。
マスコミの前に突如現れ、意味深な言葉を残して消えるなど、その振る舞いはまるでミステリー作品の知能犯です。
暴力だけでなく策略でも敵を翻弄し、得体の知れない恐怖を感じます。

さらに、グリムの恐ろしさは死者蘇生の能力。
ハンスの仲間や敵だった吸血鬼が敵として蘇る。そして愛する妻までもが…。

ハンスの過去と因縁すべてが戦場に引きずり出される戦いは、絶望感がありながらも、老いた主人公という設定を最大限に活かした熱い展開です。

そしてグリムの正体や目的は、軍の極秘研究と深く関わっている。
なぜ軍はグリムを生み出したのか、ファウストはなぜ生き延びていたのか──物語の裏側でうごめく謎が、読み進めるほどに姿を現していき、物語に引き込まれます。

このミステリー要素が、バトルだけではない謎めいた緊張感を物語に加えているのです。

グリムという第三勢力の登場によって、吸血鬼ハンターと吸血鬼という単純な対立構図は一変。
三つ巴の戦いと複雑な思惑が絡み合い、物語は混沌と緊張感に満ちた展開へと加速していきます。

これまでの吸血鬼ハンターvs吸血鬼という構図にはなかったグリム”という化け物。

この新たな脅威の存在があるからこそ、『銀狼ブラッドボーン』は先の読めないスリリングなダークファンタジーとして強く印象に残ります。

まとめ

『銀狼ブラッドボーン』は、渋くてかっこいい老いた英雄の主人公が、様々な勢力が入り乱れる戦いに挑む、混沌とした骨太のダークファンタジーです。

本記事で紹介した魅力は、次の3つ。

  • 渋くてかっこいい老英雄ハンスの存在感と重み
  • 敵でありながら深みを持つ吸血鬼・ファウストの人間味
  • 新たな脅威“グリム”による混沌とスリル

それぞれのキャラクターの信念や思惑が交差するドラマと迫力あるアクション、そして謎が謎を呼ぶストーリー展開が魅力の本作。

未読の方は、ぜひ読んでみてください。

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