『四月は君の嘘』感想|音楽と恋が彩る、せつなく鮮やかな青春ドラマ

色を失った世界に、音楽と恋が光を灯す──。

『四月は君の嘘』は、ピアノを弾くことをやめた少年と自由奔放なヴァイオリニストの出会いから始まる、せつなくも鮮やかな青春物語。

情熱的な演奏や揺れ動くキャラクターの感情の機微を繊細に描いた作品です。

本記事で紹介する見どころは3つ。

  • 音を失った天才ピアニスト・公生が抱える葛藤と再生の物語
  • 自由奔放で春のように鮮やかなヴァイオリニスト・かをりの存在感
  • 想いをぶつけ合う演奏が心を揺さぶる、熱くせつない青春ドラマ

『四月は君の嘘』は、音楽と恋を通して青春のきらめきとせつなさを描いた、心に残るドラマチックな作品です。

※この記事は漫画『四月は君の嘘』1~4巻のネタバレが含まれています。作品をより楽しむために、未読の方はご注意を!

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目次

あらすじ

天才ピアニストとして将来を期待されていた有馬公生。

しかし、母の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、舞台から姿を消す。

目標もなく過ごす公生の日常は、色を失っていた。

そんなある日、友人のデートの”おまけ”として付き添いで行ったコンクールで、宮園かをりと出会う。

性格最低、暴力上等、印象最悪。でも自由にヴァイオリンを弾く姿は美しい。

春の出会いは、公生の世界をカラフルに変えていく。

そして、ピアノを弾かない理由を聞いたかをりは、公生を伴奏者としてコンクールの舞台へと引きずり出す。

『四月は君の嘘』は、音楽と恋が心を揺さぶる、せつなくもまぶしい青春ストーリーです。

漫画『四月は君の嘘』の魅力①|音を失った天才ピアニスト・有馬公生の葛藤と成長

ピアノコンクールで数々の優勝を重ね、神童と呼ばれた有馬公生。

譜面通りに正確無比に弾きこなすその姿は、まさに圧倒的な才能の塊です。

ついた呼び名は“ヒューマンメトロノーム”。
技術の高さを示す言葉である一方で、感情のない演奏だと揶揄する、妬みのこもった悪名でもありました。

それでも公生は、母の厳しいスパルタ指導に耐え続けてきました。

すべては「母に喜んでほしい」という一心のために。

しかし、病に倒れ入院した母のために、渾身の感情を込めた演奏を捧げたとき、公生を待っていたのは称賛ではなく、冷たい否定と叱責。

耐えきれず、公生は母に「お前なんか死んじゃえばいいんだ」と呪いの言葉を吐き出してしまいます。

その直後、母は病に倒れ、この世を去る。

その瞬間から、公生には自分のピアノの音だけが聞こえなくなりました。

それはまるで罰のように彼を縛りつけ、重くのしかかっていったのです。

無気力に過ごす日々はモノトーンのように空虚で、世界は色を失っていました。

そんなある日、公生はヴァイオリニスト・宮園かをりと出会います。

色を失った公生が苦しみながらも、もがき、やがて成長して輝きを取り戻していく姿に胸を打たれます。

有馬公生。ただの“友人A”——。

漫画『四月は君の嘘』の魅力②|自由奔放なヴァイオリニスト・宮園かをりの鮮烈な存在感

宮園かをりは、圧倒的な個性を持ったヴァイオリニスト。

ヴァイオリンを弾く姿は、美しく、ときに激しく、聴く人の心を揺さぶります。

コンクールでは何よりも楽譜が重視されるものですが、かをりは作曲家に喧嘩を売るようにテンポも強弱もすべて自由。

まるで自分の曲のようにしてしまいます。

結果として審査員からの評価は得られません。

それでも観客の記憶に深く残り、忘れられない演奏になるのです。

一方、普段のかをりは天真爛漫。

明るく周囲を振り回し、ジェットコースターのように公生を翻弄します。

その存在は、色を失った公生の世界に春を連れてくるように、カラフルな輝きを放っていました。

しかし、公生とコンクールに出演したあと、かをりは倒れて入院してしまいます。

かをりは明るく、儚く、そして自由。

何をしてくれるのかという期待と刺激に、読んでいるこちらまで振り回されてしまいます。

宮園かをり。友達のことを好きな女の子——。

漫画『四月は君の嘘』の魅力③|想いが込められた演奏が心を揺さぶる

『四月は君の嘘』は、感情を揺さぶる演奏シーンが魅力です。

情熱、温かさ、優しさ、ラブレターのように相手を思う気持ち——音にはそれぞれの想いが込められています。

有馬公生が宮園かをりの伴奏を務めることになったコンクール。

自由奔放に奏でるかをりのヴァイオリンに必死に食らいつきながら、公生の音楽も次第に解き放たれていく。

伴奏でありながら“主役を喰う”ほどの演奏は、共演ではなく殴り合いのよう。

その音楽は力強く、熱い気持ちになります。

さらに、公生のライバルとして登場する相座武士と井川絵見。

公生に勝ちたい、追いつきたい、憧れの気持ち——その想いをすべてピアノに託し、言葉ではなく音で語り合う。

公生に影響を受けつつも、お互いを高め合うライバルの存在が物語を盛り上げます。

どんな強者でも、演奏に臨む前は吐き気がするほどの緊張や、失敗するかもしれない恐怖に手を震わせる。

それでも勇気を振り絞って舞台に立つ。

演奏が終わった瞬間に訪れる静寂、そして鳴り響く拍手——その光景はただ「かっこいい」としか言いようがありません。

『四月は君の嘘』の音楽には気持ちがこもっていて、胸に刺さり、読んでいると感情がこみ上げてきます。

まとめ

『四月は君の嘘』は、音楽と恋を描いた忘れられない青春物語です。

特に魅力的なのは、

  • 公生が過去のトラウマを抱えながらも成長していく姿
  • かをりの天真爛漫さと儚さが生み出す鮮烈な輝き
  • 音楽を通して描かれる友情・恋・ライバルとの熱いドラマ

の3つ。

音楽とともに描かれる青春の輝きや、仲間やライバルとの出会い、そして忘れられない演奏の数々が、胸を強く打ちます。

『四月は君の嘘』は、音楽と恋、そして青春のすべてが詰まった心震える作品です。

未読の方は、ぜひ読んでみてください。

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