たとえ無理だと言われても、どうしても叶えたい夢がある。
今回紹介するのは、『ランウェイで笑って』。
ファッション業界を舞台に、夢を追う若者たちの情熱と葛藤を描いた青春ドラマです。
この作品の魅力は、次の3つ。
- モデルとして致命的な低身長の壁に挑む、藤戸千雪のまっすぐな夢への執念
- 家族を支えながらも、服作りを諦めきれない都村育人のひたむきさ
- 正反対のふたりが互いを支え合い、夢へと走り出す青春ドラマ
一歩踏み出す勇気をくれる、そんな作品です。
マンガアプリ『マガポケ』に掲載されているので、まずは無料で読んでみてください!
あらすじ
藤戸千雪の夢は、モデルになり世界最高峰の舞台“パリ・コレクション”に出ること。
しかし千雪の身長は158cm。モデルとしては致命的な低身長という壁が、夢の前に立ちはだかっていた。
それでもあきらめず、千雪はオーディションを受け続けるが、現実は厳しく何度も落選。
そんなある日、同級生の都村育人がファッションデザイナーを目指していることを知る。
育人は、優れたセンスと技術を持ちながらも、家計を支えるために夢を諦めようとしていた。
「無理なんじゃないの?」
育人に対して投げかけたそのひと言に、自分自身の姿を重ねた千雪。
自分を見つめ直し吹っ切れた千雪は、育人に服作りを依頼する。
そして、育人が作った服を着た千雪の写真がSNSで注目され──。
無謀と笑われても、夢を諦めないふたり。
その出会いが、ふたりの運命を大きく変えていく。
『ランウェイで笑って』は、トップモデルとファッションデザイナーを目指すふたりが、支え合いながら夢に挑む青春ドラマです。
漫画『ランウェイで笑って』の魅力①|低身長でも夢を諦めない藤戸千雪の挑戦
藤戸千雪は、モデル事務所“ミルネージュ”の社長の娘。
けれど、彼女の身長は服を美しく見せるには足りず、オーディションは落選続き。
どれだけ可愛く、スタイルが良くても、それだけで弾かれてしまう──それほどまでに、モデルにとって身長は絶対的な条件です。
それでも千雪に、諦めるという選択肢はありません。
ミルネージュは、フランス語で”千の雪”。
父が、大切な娘の名前から名付けた事務所に所属し、世界最高峰・パリ・コレクションで輝くトップモデルになること。
「その夢を諦めたら、私(藤戸千雪)でいられない」
たとえ努力ではどうにもならない壁だとしても――
千雪は、男まさりで思い切りがよく、台風のように育人や周囲を巻き込みながら突き進む。
千雪のまっすぐ夢を追う姿に胸が熱くなります。
漫画『ランウェイで笑って』の魅力②|家族を支えながら夢を追う都村育人のひたむきさ
都村育人は、ファッションデザイナーを目指す、おかっぱ頭の高校生。
服作りが得意で、家族やまわりの人のために服を仕立てています。
着た人が笑顔になり、特別な自分になれた気がして勇気を持てる。
そんなふうに人の力になれる服が大好きです。
けれど、育人には、経済的な壁が立ちはだかります。
母子家庭で、4人きょうだいの長男。
3人の妹たちは、それぞれに才能があるのに、金銭的な理由で進路を諦めようとしている。
- 長女は、どこの大学にも行けるほどの秀才
- 次女は、強豪校から誘われるほど運動神経が抜群
- 三女は、年が離れた可愛い末っ子
そんな家族を支えるため、育人はバイトに明け暮れ、末っ子の送り迎えまでこなす日々。
そして、自分が就職すれば、妹たちは夢に近づける──そう思い、デザイナーの道を諦めかけていました。
そんなとき、千雪に服を作ったことをきっかけに、物語は動き出します。
普段はひかえめな育人ですが、いざというときには勇気を出して踏み出せる強さがある。
その行動はいつも誰かのためであり、周囲の人々の背中を自然と押していきます。
お金も自信もない。それでも、諦めない。
夢を追い続ける育人の姿は、等身大だからこそ応援したくなるキャラクターです。
育人の才能が少しずつ認められていく展開は、読んでいるこちらも嬉しくなってきます。
漫画『ランウェイで笑って』の魅力③|モデルとデザイナー、夢を支え合う千雪と育人の関係性
『ランウェイで笑って』は、藤戸千雪と都村育人のダブル主人公という構造によって、物語に豊かな深みが生まれています。
モデルを目指す千雪と、デザイナーを志す育人。
ふたりは抱える悩みも、性格もまったく違います。
千雪は、自信家でまっすぐ。夢に向かって迷いなく突き進むタイプ。
一方、育人は優しく控えめで、自分に自信が持てないタイプ。
そんな対照的なふたりだからこそ、互いにないものを補い合える。
千雪の情熱が育人を勇気づけ、育人の誠実さが千雪の背中を押す──
気づけばふたりは、夢に向かう“同志”となっていきます。
どちらか一方の視点では描けない、ふたりの視点が交差することで生まれるドラマ。
これは、藤戸千雪がトップモデルになるまでの物語。
そして、都村育人がトップデザイナーになるまでの物語です。
それぞれが夢と向き合い、ときに反発し、ときに助け合いながら前に進む。
育人が着付けて千雪をランウェイに送り出し、ふたりの努力が誰かの心を動かすその瞬間が、何度見ても胸を熱くさせます。
『ランウェイで笑って』は、ふたりの関係性が物語を加速させる、ダブル主人公の青春ドラマの傑作です。
まとめ
『ランウェイで笑って』は、夢を追うふたりの若者がぶつかりながらも支え合い、成長していく姿を描いた青春ドラマです。
注目してほしい魅力は、この3つ。
- 努力ではどうにもならない壁に挑む千雪の強さと覚悟
- 経済的な現実と夢の狭間でもがく育人の成長と優しさ
- モデルとデザイナー、夢を共に追うふたりの関係が生む感動
「どうせ無理」と言われたって、それでも諦めない。
自分にとって本当に大切なもののために、何度でも立ち上がる登場人物たちの姿に、胸を打たれます。
何かに挑戦したい人に読んでほしい。
『ランウェイで笑って』は、読むと勇気がもらえるような力強さをもった物語です。