数学と料理の相乗効果。
一見まったく関係のない2つが上手く重なり合い、物語は2倍も3倍もおもしろくなります。
今回紹介するのは、『フェルマーの料理』。
『フェルマーの料理』は、数学の才能に挫折した高校生が、“料理”という新たな世界で再び挑戦を始める、青春ヒューマンドラマです。
「数学」と聞くと難しそうに感じるかもしれません。けれど、この漫画を読むのに特別な知識は必要ありません。
- 挫折した主人公が凄腕のシェフと出会い挑戦する物語
- 数学と料理って似ているんだ
- 料理がおいしそう!
これで十分です。
式を組み立てるようにレシピを構築し、味の答えを導き出す。その過程は、驚くほど繊細でちょっとしたことで変化する。料理は、理屈だけでも感性だけでもおいしくならない。
読み進めるうちに、数式の意味はわからなくても、「おいしい」の理由がちょっとずつ見えてくる。
「料理って、こんなに奥深いものだったんだ」と、気づかせてくれる一冊です。
マンガアプリ『マガポケ』に掲載されているので、まずは無料で読んでみてください!
あらすじ
北田岳は、数学の天才を多数排出した名門校の高校生。
将来を期待されていた彼は、数学オリンピックの選考会で問題用紙を白紙のまま提出する。
周囲の期待を裏切り、自分にも自信を失いかけた彼は、数学の道をあきらめようとしていた。
そんな彼の前に現れたのが、一流レストランの若き天才シェフ・朝倉海。
偶然作ったナポリタンをきっかけに、岳は料理の中に、かつて自分が夢中になった”数学の美しさ”を感じる。
レシピという名の方程式。味という名の答え。
──これは、挫折した少年が、数学を武器に“料理”という新たな世界で再び挑戦を始める物語。
漫画『フェルマーの料理』の魅力①|数学の知識がなくても楽しめる王道の成長ストーリー
“数学”と聞くと、少し難しそうに感じるかもしれません。
けれどこの物語は、そんな予備知識がなくても楽しめる、“挫折を乗り越え挑戦する”王道のストーリーです。
主人公・北田岳は、将来を期待されていた高校生。
けれど、数学オリンピックの選考会で他の挑戦者たちの姿を見たとき、自分は「ただ好きなだけの凡人」だと痛感し、挫折します。
それでも学内トップの成績を維持してきた彼に対し、理事長は「自分を侮辱した」と一方的に怒り、独断で退学を言い渡す。
“数学”への自信を失った矢先に、退学と奨学金の即時返還という理不尽が重なり、
一瞬ですべてを失った——
しかし、そんな中で出会ったのが、一流レストランの若き天才シェフ・朝倉海。
彼との出会いをきっかけに、岳は理事長が主催のパーティーの料理を秘密で任されることになります。
高級料理のコースの中に並ぶのは、ナポリタン。
招待客からは不満の声も上がります。
舌のこえた大人たちに対して、武器はただ一皿の料理。
けれど岳は、このナポリタンで見事にすべてを覆す。
理不尽な状況を、言葉ではなく、味でねじ伏せる展開は痛快そのものです。
テンポよく、わかりやすく、気がつけば夢中になって読んでしまう。
そんな王道のストーリーだからこそ、“数学”という題材にもすっと入っていける。
それが『フェルマーの料理』という作品の魅力のひとつです。
漫画『フェルマーの料理』の魅力②|科学的に理解できる“おいしさ”がクセになる
数学と料理って、意外な組み合わせ…?
そう思うかもしれませんが、これが驚くほど相性バツグン。
多くの料理漫画では、おいしさはイラストやリアクションで“雰囲気”として伝えられます。
でも実際には、「本当にそんなにおいしいの?」と感じることも。
『フェルマーの料理』は、そこがちょっと違います。
この作品では、「なぜおいしいのか」を、数学の視点でしっかり説明してくれるんです。
温度管理、旨味成分の組み合わせ、調理の順序。
レシピという名の“式”を組み立て、味という“答え”を導き出す。
まるで数学の問題を解くように、理屈と美味しさがぴったり噛み合っていく感覚が気持ちいい。
さらにその過程を通して、主人公がもう一度“数学の楽しさ”を思い出していくのもおもしろい。
難しい数式がわからなくても大丈夫。
「料理って、こういう理屈でできているんだ」、「“おいしい”に理由があるんだな」
――それくらいの感覚で、十分楽しめます。
料理漫画に“数学”という視点が加わることで、こんなにも変わるのかと思わずうなってしまう完成度。
数学×料理の組み合わせこそが『フェルマーの料理』の大きな魅力です。
漫画『フェルマーの料理』の魅力③|身近なメニューが輝き出す、再現性の高いレシピが魅力
料理漫画を読んでいると、お腹が空いてきますよね?
『フェルマーの料理』の魅力は、”おいしそう”だけじゃありません。
“実際に作れそう”な料理が描かれているところに、グッとくるんです。
作中には高級感のある料理も登場しますが、主人公・北田岳が挑戦するのは、ナポリタンやお茶漬けなど、どこか親しみやすい料理が中心です。
しかも、ただの再現ではありません。
「具材の炒める順番」や「ケチャップを直接フライパンに入れる理由」、「フォークの温度管理」まで——
普段何気なく作っている料理の中に、数学的な工夫や理屈が隠れているんです。
難しいテクニックや特別な食材だけに頼るのではなく、ちょっとした工夫でもおいしさが変わる。
だからこそ、「自分でもやってみたい」と思わせてくれます。
さらに嬉しいのは、巻末にレシピや作り方が掲載されていること。
漫画を読み終えたあと、そのまま台所に立ちたくなるような実用性も、『フェルマーの料理』ならではの魅力です。
まとめ
『フェルマーの料理』は、数学に挫折した高校生が、料理という新たな世界で挑戦する物語です。
「数学って難しそう」と思っていても大丈夫。
- 挫折を経て進む“挑戦”の物語としての面白さ
- 数式のように組み立てられる、“数学×料理”という斬新なアイデア
- そして、思わず真似したくなる、身近で実用的なレシピたち
どれも丁寧に描かれていて、読みやすく、熱く、そしてお腹が空いてきます。
数学と料理。まったく違うようで、実は驚くほど自然に重なり合う。
読み終わるころにはきっと、自分でも作ってみたくなっているはずです。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。

